米連邦取引委員会(FTC)とワシントン州は2026年9月17日、米アムウェイとWorld Wide Group(WWG)、Leadership Team Development(LTD)の3社を提訴し、2億2,500万ドルの支払いなどを盛り込んだ和解案を公表しました。1ドル約157.1円で単純換算すると約354億円です。
ただし「アムウェイの違法が裁判で確定して354億円をすでに支払った」という意味ではありません。FTCの事件ページは現在もPending(係属中)で、提出された最終命令案は裁判所の承認・署名によって法的効力を持つとFTCが説明しています。
【速報】アムウェイなど3社が約354億円の和解へ
何が起きたのか、まず簡単に整理
今回のニュースは米国での案件です。FTCとワシントン州が、Amway Corp.と、IBO(Independent Business Owner:独立事業主)向けの研修などに関わるWWG、LTDを相手に訴訟を起こしました。
FTCは、収入についての説明、商品購入への圧力、顧客への販売実績の報告などを問題として挙げています。一方、アムウェイ側は当局による事業の評価に「根本的に同意しない」と公式に表明しています。
| 確認項目 | 今回公表された内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月17日 |
| 原告 | 米連邦取引委員会(FTC)・ワシントン州 |
| 対象 | Amway Corp.、WWG、LTD |
| 和解案の金額 | 2億2,500万ドル |
| 日本円の目安 | 約354億円(1ドル約157.1円で単純換算) |
| FTC事件ページ | Pending(係属中) |
2億2,500万ドルは日本円でいくら?
2億2,500万ドルを1ドル約157.1円で計算すると、約353億5,000万円です。この記事では読みやすく「約354億円」と表記します。為替は動くため、日本円はあくまで目安です。
「FTC法違反が確定した」という意味ではない
FTCの訴状は、FTC法5条などへの違反を当局側が主張している文書です。FTC自身も、訴状は委員会が違反または違反のおそれがあると信じる理由があり、手続きが公益にかなうと判断したときに提出するものだと説明しています。
そのため本記事では「違反が確定した」「有罪になった」とは書かず、FTCなどが何を問題として主張し、どのような和解案が提出されたのかを分けて説明します。
FTCはアムウェイの何を問題視したのか
以下はFTCとワシントン州側の主張です。アムウェイ側の反論は後半で扱います。
「大きな収入を得られる」という説明
FTCは、参加者が年4万ドルを超える大きな収入を得られる、会社員の収入を置き換えられる、早期退職につながるといった趣旨の説明が行われた一方、2020年以降にWWGまたはLTDを通じて参加した多くのIBOでは、アムウェイから受け取った金額より、アムウェイ商品や研修に支払った金額の方が多かったと主張しています。
商品購入を続けるよう求める仕組み
FTCは、WWGとLTDの研修などを通じ、IBOが実際に再販売できるか、自分で欲しい商品かにかかわらず、一定量の商品を毎月購入するよう促されたと主張しています。会社にとっての商品売上と、参加者本人に残る利益は分けて見る必要があります。
勧誘とメンターについての説明
FTCは、複数の新しいIBOを勧誘できる可能性や、成功したリーダーから特別なメンタリングを受けられるという説明についても、実態との違いがあったと主張しています。
商品の販売実績についてFTCが指摘したこと
FTCはさらに、実際には販売していない商品を販売したようにIBOへ報告させる指導があったと主張しています。この点は、和解案にある顧客販売の報告、実際の販売価格の報告、虚偽販売への対応とつながっています。
「年4万ドル以上稼げる」と「実際の収支」はどう違った?
FTCが示した「多くの参加者」の実態
FTCは、2020年以降にWWGまたはLTD経由で参加したIBOの多くが、アムウェイから受け取った金額より、商品や研修に支払った金額の方が多かったとしています。
これは「すべてのIBOが損をした」という意味ではありません。一方で、収入の大きな事例を見るだけでは参加判断に必要な情報が足りないことも分かります。
商品代や研修費を引いた後を見る
私がこれまでMLMの記事で繰り返し確認してきたのも、この考え方です。報酬明細だけを見ればプラスでも、商品購入、登録・維持、研修、交通、会場、通信などの支出を差し引けば数字は変わります。
さらに活動時間まで考えるなら「最終利益 ÷ 活動時間」で、自分にとってその活動がどうだったのかを確認できます。
会社の売上と会員個人の利益は別
会社の売上が大きいこと、長く続いていること、増収していることと、参加者一人ひとりに利益が残ることは別の数字です。今回も「アムウェイという会社が大きいか」ではなく、FTCが参加者の収支や商品購入をなぜ問題にしたのかを分けて読む必要があります。
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和解するとアムウェイのルールはどう変わる?
FTCが公表した最終命令案は、お金を支払って終わる内容ではありません。事業運営について複数の変更が盛り込まれています。
購入商品の70%以上を他者へ販売するルール
FTCの発表では、IBOがアムウェイから毎月購入する商品の少なくとも70%を他者へ販売することが求められるとしています。勧誘したIBOが商品を買っても再販売しない場合、勧誘者側の報酬も大幅に減らす仕組みが示されています。
実際の顧客販売を報告する仕組み
IBOは顧客への販売を速やかに報告し、実際の販売価格も記録することが求められます。さらにアムウェイから顧客へレシートを送る仕組みも盛り込まれています。
虚偽の販売報告への対応
販売を偽装したIBOや、それを他者へ教えたIBOについて、アムウェイが契約を終了すること、販売記録について独立した外部監査を定期的に受けることも和解案に含まれています。
新規IBOの研修費にも新しい制限
FTCの発表では、IBOは勧誘を始める前に新しいルール等について研修を受ける必要があります。また、WWGやLTDを含むapproved providerについて、新規IBOの最初の1年間は研修やサービスの料金を請求しないことをアムウェイが求める内容になっています。
- 2億2,500万ドルの金銭的救済
- 実際の顧客販売を確認する仕組み
- 商品購入だけで報酬が増えにくい仕組み
- 虚偽販売への対応と外部監査
- 新規IBO向け研修費の制限
まで含む大きな運用変更案です。FTCは金銭的救済のほぼ全額を、WWG・LTD経由で勧誘され損失を受けたIBOへの救済に用いるとしています。具体的な救済手続きは後日案内される予定です。
アムウェイ側は今回の発表をどう説明している?
アムウェイは当局の見方に反論
アムウェイは2026年9月17日、FTCとワシントン州との和解合意を発表しました。その一方で、当局による自社事業の評価には「根本的に同意しない」という立場を示しています。
販売データについても主張が食い違っている
アムウェイ側は、自社の販売データが正確ではないという当局側の主張も否定しています。また、今後IBOの顧客販売を追跡・裏付ける際には、アムウェイの販売データを利用することでFTCと合意したと説明しています。
和解した=すべての主張を認めた、ではない
FTC側は不公正・欺瞞的な勧誘や収入説明などを主張しています。一方、アムウェイ側はその事業評価に反論したうえで、和解には妥協が必要だったと説明しています。
そのため「和解したのだからFTCの主張を全部認めた」と単純化せず、FTCの訴状・和解案とアムウェイ側の公式声明を分けて確認するのが適切です。
Amway Global公式声明
日本のアムウェイ会員にも今回の和解は関係する?
今回の発表は米国でのFTC・ワシントン州の案件
今回の訴訟は米国のFTCとワシントン州によるもので、被告として記載されているのはAmway Corp.、WWG、LTDです。日本アムウェイ合同会社に対する日本の行政処分が今回新たに発表された、というニュースではありません。
日本のアムウェイに同じルールがそのまま適用されるとは限らない
米国の和解案に書かれたルールが、そのまま日本の会員制度へ同じ形で適用されると現時点で断定することはできません。日本での制度変更や対応が発表された場合は、日本アムウェイの公式情報や日本の行政機関の発表を別に確認する必要があります。
日本の会員が確認しておきたいこと
今回のニュースを見て不安になった場合でも、SNSの短い投稿だけで判断せず、まず自分の契約、商品購入、報酬、活動費を確認することが大切です。
- 毎月の商品購入はいくらか
- 実際に一般顧客へ販売した金額はいくらか
- 受け取った報酬はいくらか
- 研修・イベント・交通などの活動費はいくらか
- 最終的に自分にいくら残っているか
私自身もMLMを経験したから今回のニュースで気になること
私はこれまでMLMに参加する側、勧誘する側の両方を経験してきました。その経験があるからこそ、今回のニュースで気になるのは「アムウェイが大きな会社か」「成功者がいるか」だけではありません。
成功者の収入より「自分にいくら残ったか」を見る
MLMでは、上位の人の収入や生活が紹介されることがあります。しかし、その人の数字と自分の数字は別です。参加を続けるか考えるときは、自分が受け取った報酬と、自分が実際に使ったお金を並べます。
私は現在、会社の売上や報酬額だけではなく、受取報酬-商品購入-登録・維持費-活動費=最終利益で見ることを大切にしています。
商品購入や研修費も活動コストとして考える
商品が好きで自分用に購入することと、報酬条件や活動継続のために購入することは分けて考えた方が分かりやすくなります。研修やイベントも同じです。学びに価値を感じることと、その費用を差し引いた事業収支は別の話です。
「みんなやっている」ではなく自分の数字を確認する
今回のFTCの主張が日本のすべてのアムウェイ会員にそのまま当てはまるわけではありません。だからこそ、周囲の成功例だけでも、今回の米国ニュースだけでも決めず、自分自身の購入・販売・報酬・費用を確認することが重要だと思います。
今回のアムウェイ・FTC和解をどう見ればいい?
今回のニュースを初心者向けに整理すると、ポイントは次の通りです。
| ポイント | 確認したいこと |
|---|---|
| 金額 | 2億2,500万ドル。2026年9月30日時点の目安で約354億円 |
| 誰の案件? | 米国のFTC・ワシントン州と、Amway Corp.・WWG・LTDの案件 |
| 何が問題視された? | 収入説明、商品購入、勧誘、販売実績の報告などをFTC側が問題視 |
| 確定した? | FTC事件ページはPending。最終命令案は裁判所の承認・署名で法的効力を持つ |
| 会社側の見解 | アムウェイは当局による事業の評価に反論 |
| 参加者が見る数字 | 会社売上ではなく、自分の報酬から商品・研修・活動費を引いた最終収支 |
「アムウェイがFTC法違反で354億円を払った」と一行で終わらせると、現在の手続き状況も、FTCが具体的に何を問題にしたのかも見えなくなります。
現時点で確認できるのは、FTCとワシントン州が訴訟を起こし、2億2,500万ドルの金銭的救済と大幅な運用変更を含む和解案が提出されていること。そしてアムウェイ側は当局の事業評価に反論していることです。
今後、裁判所による最終命令や消費者への救済方法、日本側での公式な対応など新しい情報が確認できた場合は、本記事を追記します。



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